「建設業許可を取りたいけれど、欠格要件に該当しないか不安」
「役員の中に過去のトラブルがある場合、許可は取れるのか」
「個人事業主の場合は、誰が確認対象になるのか」
建設業許可のご相談では、このような不安を持たれる方もいます。
建設業許可を取得するためには、経営業務の管理責任者等、営業所技術者等、
財産的基礎、営業所、社会保険など、いくつかの要件を満たす必要があります。
しかし、それだけではありません。
建設業許可では、欠格要件に該当しないことも重要な確認ポイントです。
欠格要件とは、簡単にいうと、一定の事情がある場合に建設業許可を受けられないというルールです。
この記事では、建設業許可の欠格要件とは何か、
法人の役員や個人事業主が申請前に確認しておきたいポイントを、初めての方にもわかりやすく解説します。
建設業許可では「欠格要件に該当しないこと」も確認されます
建設業許可を取るためには、必要な要件を満たしていることが必要です。
たとえば、
- 経営業務の管理責任者等がいること
- 営業所技術者等がいること
- 財産的基礎があること
- 適切な営業所があること
- 社会保険に適切に加入していること
などが代表的な要件です。
ただし、これらの要件を満たしていても、欠格要件に該当する場合は、
建設業許可を受けられない可能性があります。
つまり、建設業許可では、
許可を取るための要件を満たしているか
とあわせて、
許可を受けられない事情がないか
も確認されるということです。
建設業許可の要件全体については、こちらでもご案内しています。
欠格要件とは?
欠格要件とは、一定の事情に該当する場合に、建設業許可を受けることができないというものです。
たとえば、次のような事情がある場合には注意が必要です。
- 申請書や添付書類に虚偽の記載がある
- 重要な事実を書いていない
- 破産手続開始の決定を受け、復権を得ていない
- 建設業許可を取り消されてから一定期間が経過していない
- 一定の刑に処せられ、その後一定期間が経過していない
- 暴力団員等に該当する
- 暴力団員等が事業活動を支配している
細かい内容は個別に確認が必要ですが、イメージとしては、
建設業を営むうえで適切性に問題がないかを確認するものです。
「自分は関係ない」と思っていても、法人の場合は役員等も確認対象になるため、
会社全体で確認しておくことが大切です。
申請書に虚偽記載があると問題になります
欠格要件で特に注意したいのが、申請書類の虚偽記載です。
建設業許可の申請では、多くの書類を提出します。
たとえば、
- 役員に関する情報
- 経営業務の管理責任者等の経験
- 営業所技術者等の資格や実務経験
- 財産的基礎
- 営業所の所在地
- 社会保険の加入状況
などです。
これらについて、事実と異なる内容を書いたり、重要な事実を書かなかったりすると、
問題になる可能性があります。
「少しくらいなら大丈夫」
「書かなければわからない」
「過去のことだから問題ないはず」
このように考えて申請してしまうのは危険です。
不安な点がある場合は、申請前に確認し、正確な内容で手続きを進めることが大切です。
法人の場合は役員等も確認対象になります
法人で建設業許可を申請する場合、会社そのものだけでなく、役員等も確認対象になります。
たとえば、株式会社であれば、代表取締役だけでなく、取締役なども確認対象になります。
また、場合によっては、相談役、顧問、一定割合以上の株主、支配人、営業所長など、
建設業の営業取引に重要な地位にある人が確認対象になることもあります。
そのため、法人で申請する場合は、
- 代表者だけ確認すればよい
- 実際に現場に出る人だけ確認すればよい
- 経営業務の管理責任者等だけ確認すればよい
というわけではありません。
役員等の中に欠格要件に該当する人がいないかを確認する必要があります。
特に、法人設立時や役員変更の直後に建設業許可を申請する場合は、役員構成をよく確認しておきましょう。
個人事業主の場合は誰が確認対象になる?
個人事業主として建設業許可を申請する場合は、基本的に申請者本人が確認対象になります。
また、支配人を置いている場合には、その支配人も確認対象になることがあります。
一人親方や個人事業主の場合、
「会社ではないから欠格要件は関係ない」
と思われるかもしれません。
しかし、個人事業主であっても、欠格要件に該当しないことは確認されます。
そのため、個人で申請する場合も、過去の処分歴や申請内容に不安がある場合は、
事前に確認しておくことが大切です。
個人事業主・一人親方の建設業許可については、こちらも参考にしてください。
「誠実性」も建設業許可の重要な要件です
建設業許可では、欠格要件とあわせて、誠実性も確認されます。
ここでいう誠実性とは、単に「まじめな人かどうか」という話ではありません。
建設工事の請負契約を締結したり、契約内容を履行したりするうえで、
不正または不誠実な行為をするおそれが明らかではないことが求められます。
たとえば、請負契約に関して重大な不正行為や不誠実な行為がある場合には、問題になる可能性があります。
建設業では、工事金額が大きくなることも多く、元請、下請、施主、協力業者など、多くの関係者が関わります。
そのため、建設業許可では、契約に関する信頼性も重視されていると考えるとわかりやすいです。
欠格要件と誠実性は何が違う?
欠格要件と誠実性は、どちらも建設業許可で確認される重要なポイントです。
ざっくりいうと、欠格要件は、法律上「この事情に該当すると許可を受けられない」というものです。
一方、誠実性は、請負契約の締結や履行に際して、
不正または不誠実な行為をするおそれが明らかでないかを確認するものです。
どちらも、建設業を適正に営むことができるかを確認するための要件です。
そのため、
- 過去に処分歴がある
- 契約に関するトラブルがあった
- 役員に不安な事情がある
- 申請内容に正確に書くべきか迷っている
このような場合は、自己判断せず、申請前に確認することをおすすめします。
破産したことがある場合は必ず許可が取れない?
過去に破産したことがある場合でも、必ず建設業許可が取れないというわけではありません。
問題になるのは、破産手続開始の決定を受けて、まだ復権を得ていない場合です。
復権を得ている場合には、欠格要件に該当しない可能性があります。
ただし、個別事情によって確認が必要なこともあります。
「過去に破産したことがあるから絶対に無理」と決めつける必要はありませんが、
申請前に状況を整理しておくと安心です。
過去の処分歴や刑罰がある場合は?
過去に処分歴や一定の刑罰を受けたことがある場合も、建設業許可の欠格要件に関係する可能性があります。
ただし、どのような処分なのか、いつのものなのか、現在どのような状態なのかによって判断が変わります。
たとえば、
- 建設業許可を取り消されたことがある
- 営業停止処分を受けたことがある
- 一定の刑に処せられたことがある
- 暴力団員等に該当する事情がある
このような場合には、慎重に確認する必要があります。
不安がある場合は、申請前に正直に相談し、どの点が問題になり得るのかを整理することが大切です。
役員変更をしたばかりの場合の注意点
法人で建設業許可を申請する場合、役員変更をしたばかりのケースもあります。
この場合、新しく就任した役員が欠格要件に該当しないかを確認する必要があります。
また、建設業許可を取得した後に役員変更があった場合も、変更届が必要になることがあります。
建設業許可は、取得して終わりではありません。
許可後も、役員変更、本店移転、営業所の変更、営業所技術者等の変更などがあれば、
必要な届出を行う必要があります。
許可後の手続きについては、こちらの記事も参考にしてください。
欠格要件だけでなく、他の要件も確認しましょう
建設業許可では、欠格要件に該当しないことだけを確認すればよいわけではありません。
あわせて、次のような要件も確認する必要があります。
- 経営業務の管理責任者等
- 営業所技術者等
- 財産的基礎
- 営業所の実態
- 社会保険の加入状況
- 誠実性
たとえば、欠格要件に問題がなくても、経営業務の管理責任者等の経験が足りない場合や、
営業所技術者等になれる人がいない場合は、建設業許可の取得が難しくなります。
経営業務の管理責任者等については、こちらの記事も参考にしてください。
▶ 役員経験が5年ないと建設業許可は取れない?経営業務の管理責任者等の考え方をわかりやすく解説
営業所技術者等については、こちらの記事もご確認ください。
▶ 資格がなくても建設業許可は取れる?実務経験で営業所技術者等になる場合の注意点を解説
財産的基礎について不安がある方は、こちらの記事も参考になります。
▶ 赤字決算でも建設業許可は取れる?財産的基礎・500万円の考え方をわかりやすく解説
営業所について不安がある方はこちらもご覧ください。
▶ 自宅や賃貸事務所でも建設業許可は取れる?営業所の要件と注意点をわかりやすく解説
社会保険について不安がある方はこちらも参考にしてください。
▶ 社会保険に入っていないと建設業許可は取れない?加入義務と確認ポイントをわかりやすく解説
元請から許可を求められている場合は早めに確認を
元請会社から「建設業許可を取ってください」と言われている場合、
欠格要件や誠実性についても早めに確認しておきましょう。
特に、
- 法人の役員に不安な事情がある
- 過去の処分歴が気になる
- 申請書にどう書けばよいかわからない
- 個人事業主として申請できるか不安
- 役員変更をしたばかり
- 申請前に問題がないか確認したい
このような場合は、申請準備を始める前に整理しておくことをおすすめします。
元請から建設業許可を求められた場合の対応については、こちらも参考にしてください。
▶ 元請から「建設業許可を取ってください」と言われたら?まず確認すべきポイントをわかりやすく解説
まとめ:欠格要件は申請前に確認しておくことが大切です
建設業許可では、経営業務の管理責任者等、営業所技術者等、財産的基礎などの要件だけでなく、
欠格要件に該当しないことも確認されます。
法人の場合は、会社だけでなく役員等も確認対象になります。
個人事業主の場合は、本人や支配人などが確認対象になることがあります。
大切なのは、
- 申請書に正確な内容を書くこと
- 役員等が欠格要件に該当しないか確認すること
- 過去の処分歴やトラブルがある場合は事前に整理すること
- 誠実性に関する不安がある場合は自己判断しないこと
- 他の許可要件もあわせて確認すること
です。
欠格要件は、普段あまり意識しない項目かもしれません。
しかし、建設業許可を申請するうえでは避けて通れない重要な確認ポイントです。
不安がある場合は、申請前に専門家へ相談することをおすすめします。
建設業許可でお困りの方へ
行政書士中村拓哉事務所では、愛知県を中心に建設業許可申請のサポートを行っています。
「欠格要件に該当しないか不安」
「役員の中に確認が必要な人がいる」
「個人事業主として申請できるか確認したい」
「過去の事情が建設業許可に影響するか知りたい」
「元請から建設業許可を求められている」
このような場合は、まずは現在の状況をお聞かせください。
欠格要件や誠実性だけでなく、経営業務の管理責任者等、営業所技術者等、
財産的基礎、営業所、社会保険なども含めて、建設業許可を取得できる可能性があるか整理いたします。
まだ正式に依頼するか決まっていない段階でも大丈夫です。
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