自宅や賃貸事務所でも建設業許可は取れる?営業所の要件と注意点をわかりやすく解説

「自宅を事務所にしているけど、建設業許可は取れるの?」
「賃貸マンションやアパートでも申請できる?」
「バーチャルオフィスでも建設業許可は取れる?」

建設業許可のご相談では、このような営業所に関する不安を持たれている方も少なくありません。

建設業許可というと、経営業務の管理責任者等、営業所技術者等、財産的基礎などに目が向きがちです。

しかし、実際には営業所として認められる場所があるかどうかも大切なポイントです。

この記事では、自宅や賃貸事務所でも建設業許可を取れる可能性があるのか、

営業所の要件や注意点について、初めての方にもわかりやすく解説します。

目次

建設業許可では「営業所」も重要な要件です

建設業許可では、建設業を営むための営業所がどこにあるかを確認します。

国土交通省は、建設業許可における「営業所」について、本店または支店

もしくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいうと説明しています。

また、他の営業所に対して請負契約に関する指導監督を行うなど、

建設業に係る営業に実質的に関与する場合も営業所に該当するとされています。

つまり、単に住所があるだけではなく、

建設工事の請負契約に関する営業活動を行う場所かどうかがポイントになります。

たとえば、次のような業務を行う場所は、営業所に該当する可能性があります。

  • 工事の見積りをする
  • 請負契約を締結する
  • 注文書・請書をやり取りする
  • 元請や取引先と打ち合わせをする
  • 工事に関する営業上の判断をする
  • 他の営業所に対して契約に関する指導監督をする

逆に、単なる資材置き場や倉庫、現場作業員の集合場所、

郵便物だけを受け取る場所などは、営業所として認められない可能性があります。

建設業許可の要件全体については、こちらでもご案内しています。

▶ 建設業許可サポートはこちら

自宅兼事務所でも建設業許可は取れる?

結論からいうと、自宅兼事務所でも建設業許可を取れる可能性はあります。

「自宅だから絶対にダメ」というわけではありません。

個人事業主や一人親方の方、法人設立直後の方などは、自宅の一部を事務所として使っているケースもあります。

ただし、自宅で申請する場合でも、営業所としての実態があるかどうかが重要です。

たとえば、

  • 建設業の営業活動を行うスペースがある
  • 契約書や請求書などの書類を保管できる
  • 電話・パソコン・机などの事務設備がある
  • 郵便物を受け取れる
  • 取引先との連絡・打ち合わせに使える
  • 営業所として外部から確認できる状態になっている

といった点を確認することになります。

「自宅住所を使っているだけで、実際には建設業の営業をしていない」という場合は注意が必要です。

賃貸マンション・アパートでも申請できる?

賃貸マンションやアパートでも、営業所として使用できる状態であれば、

建設業許可を検討できる可能性があります。

ただし、賃貸物件の場合は、特に賃貸借契約の内容に注意が必要です。

たとえば、契約書に、

  • 居住専用と書かれている
  • 事務所利用禁止と書かれている
  • 法人登記や営業利用が禁止されている
  • 看板や表札の掲示が禁止されている

といった内容がある場合、そのまま営業所として使えるか慎重に確認する必要があります。

場合によっては、大家さんや管理会社から、

事務所として使用することについて承諾を得る必要が出てくることもあります。

特に、自宅兼事務所や賃貸マンションで申請する場合は、申請前に契約内容を確認しておくと安心です。

バーチャルオフィスでも建設業許可は取れる?

バーチャルオフィスについては、慎重に考える必要があります。

建設業許可の営業所は、常時建設工事の請負契約を締結する事務所などを指します。

単なる登記上の本店で、実際には建設業に関する営業を行わない場所は、

建設業許可上の営業所には該当しないとされています。

そのため、

  • 住所だけ借りている
  • 郵便物の受け取りだけをしている
  • 実際に事務作業をする場所がない
  • 契約や見積りなどの営業活動を行っていない
  • 営業所技術者等や経営業務の管理責任者等が常勤していない

このような場合は、建設業許可の営業所として認められにくい可能性があります。

「法人登記はバーチャルオフィスでしているけれど、実際の営業は別の場所で行っている」という場合は、

どこを主たる営業所として申請するのかを整理する必要があります。

登記上の本店と実際の事務所が違う場合

法人の場合、登記上の本店と実際に営業している場所が違うことがあります。

たとえば、

  • 登記上の本店は自宅
  • 実際の事務作業は別の事務所
  • 取引先との契約や見積りは別拠点で行っている
  • 本店は形式上の住所で、建設業の営業は行っていない

このようなケースです。

建設業許可では、登記上の住所だけでなく、実際に建設業の営業を行う場所が重要になります。

四国地方整備局の資料でも、店舗規模の大きさや支店登記の有無ではなく、

建設工事の請負契約締結権限、または指導監督の有無で営業所に該当するかを判断する旨が示されています。

そのため、登記上の本店と実際の事務所が違う場合は、

どの場所が建設業許可上の営業所になるのかを事前に確認しておくことが大切です。

営業所で確認されやすいポイント

営業所として認められるかを考える際には、次のような点を確認します。

1. 営業所としての実態があるか

実際に建設業の営業活動を行っているかどうかが重要です。

単に住所があるだけではなく、見積り、契約、請求、書類保管、

取引先との連絡などを行う場所である必要があります。

2. 事務スペースがあるか

机、椅子、電話、パソコン、書類保管場所など、営業所として使える状態になっているかを確認します。

自宅兼事務所の場合でも、生活スペースとは別に、事務作業を行う場所があると説明しやすくなります。

3. 外部から営業所として確認できるか

郵便受け、表札、入口表示などで、事務所として確認できる状態になっているかも大切です。

必ず大きな看板が必要というわけではありませんが、

営業所としての所在がわかる状態にしておくことが望ましいです。

4. 使用する権限があるか

自己所有物件であれば所有関係、賃貸物件であれば賃貸借契約の内容を確認します。

家族名義の建物や、借主が申請者と違う場合などは、使用承諾などを確認する必要が出てくる場合があります。

5. 営業所技術者等や経管の常勤性に問題がないか

営業所だけ整っていても、営業所技術者等や経営業務の管理責任者等が常勤していない場合は注意が必要です。

営業所としての場所と、人の配置はセットで確認しましょう。

愛知県では営業所の写真も確認されます

愛知県の建設業許可申請様式には、「営業所の写真」の様式が用意されています。

営業所の写真では、一般的に次のような内容を確認することがあります。

  • 建物の外観
  • 入口付近
  • 表札や郵便受け
  • 事務所内部
  • 机・電話・パソコンなどの事務設備
  • 書類を保管する場所
  • 営業所として使用している状況

写真は、営業所としての実態を確認するための重要な資料になります。

「自宅だから見せにくい」
「賃貸マンションなので営業所らしく見えない」
「表札を出していない」

という場合でも、どのように営業所として説明できるかを整理しておくことが大切です。

自宅・賃貸事務所でよくある注意点

自宅や賃貸事務所で建設業許可を申請する場合、次のような点に注意しましょう。

生活スペースだけで事務所らしさがない

自宅兼事務所の場合、生活スペースだけで、建設業の営業を行う場所として説明しにくい場合があります。

机、書類棚、パソコン、電話などを整えて、

事務スペースとして使っていることがわかる状態にしておくとよいでしょう。

賃貸借契約で事務所利用が禁止されている

賃貸物件の場合、契約書で事務所利用が禁止されていることがあります。

この場合は、大家さんや管理会社の承諾が必要になる可能性があります。

表札や郵便受けに事業者名が出ていない

郵便物が届く状態か、外部から営業所として確認できる状態かも確認されやすいポイントです。

法人名や屋号を出せるかどうかも、事前に確認しておくと安心です。

バーチャルオフィス・レンタル住所だけを使っている

住所を借りているだけで、実際に建設業の営業活動を行っていない場合は、

営業所として認められにくい可能性があります。

営業所技術者等が別の場所で働いている

営業所技術者等は、許可を受ける営業所に専任で置く必要があります。

そのため、実際には別の会社に常勤している人や、

別の場所で働いている人を形式的に置くような形は注意が必要です。

営業所技術者等については、こちらの記事もご確認ください。

▶ 資格がなくても建設業許可は取れる?実務経験で営業所技術者等になる場合の注意点を解説

営業所だけでなく、他の要件も確認しましょう

建設業許可では、営業所の要件だけを満たしていればよいわけではありません。

あわせて、次のような要件も確認されます。

  • 経営業務の管理責任者等
  • 営業所技術者等
  • 財産的基礎
  • 誠実性
  • 欠格要件に該当しないこと
  • 社会保険等の加入状況

たとえば、自宅事務所として問題がなさそうでも、経営業務の管理責任者等の経験が足りない場合や、

営業所技術者等になれる人がいない場合は、許可取得が難しくなります。

経営業務の管理責任者等については、こちらの記事も参考にしてください。

▶ 役員経験が5年ないと建設業許可は取れない?経営業務の管理責任者等の考え方をわかりやすく解説

財産的基礎について不安がある方は、こちらの記事もご確認ください。

▶ 赤字決算でも建設業許可は取れる?財産的基礎・500万円の考え方をわかりやすく解説

元請から許可を求められている場合は早めに確認を

元請会社から「建設業許可を取ってください」と言われている場合、

営業所の確認も早めに行うことをおすすめします。

特に、

  • 自宅を事務所にしている
  • 賃貸マンションを使っている
  • 登記上の本店と実際の事務所が違う
  • バーチャルオフィスを使っている
  • 営業所の写真をどう用意すればよいかわからない

このような場合は、申請準備を始める前に確認しておくと安心です。

元請から建設業許可を求められた場合の対応については、こちらも参考にしてください。

▶ 元請から「建設業許可を取ってください」と言われたら?まず確認すべきポイントをわかりやすく解説

まとめ:自宅や賃貸でも、営業所として認められるかが大切です

自宅や賃貸事務所でも、営業所としての実態があれば、建設業許可を取得できる可能性があります。

大切なのは、

  • 建設業の営業活動を行っている場所か
  • 見積りや契約などを行う場所か
  • 事務スペースや設備があるか
  • 書類を保管できるか
  • 外部から営業所として確認できるか
  • その場所を使用する権限があるか
  • 営業所技術者等や経管の常勤性に問題がないか

という点です。

「自宅だから無理」
「賃貸だから無理」

とすぐに判断する必要はありません。

ただし、営業所としての実態や資料の整え方によって判断が変わることがあります。

不安がある場合は、申請前に専門家へ相談することをおすすめします。

建設業許可でお困りの方へ

行政書士中村拓哉事務所では、愛知県を中心に建設業許可申請のサポートを行っています。

「自宅事務所で建設業許可が取れるか知りたい」
「賃貸マンションでも申請できるか確認したい」
「営業所の写真をどう準備すればよいかわからない」
「登記上の本店と実際の事務所が違っていて不安」
「元請から建設業許可を求められている」

このような場合は、まずは現在の状況をお聞かせください。

営業所の状況だけでなく、経営業務の管理責任者等、営業所技術者等、財産的基礎なども含めて、

建設業許可を取得できる可能性があるか整理いたします。

まだ正式に依頼するか決まっていない段階でも大丈夫です。

まずはお気軽にご相談ください。

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