建設業許可の業種追加とは?新しい工事を請け負う前に確認したいポイント

「今持っている建設業許可で、新しい工事を請け負っても大丈夫ですか?」
「元請から別の業種の許可を求められました」
「内装工事の許可はあるけれど、防水工事や解体工事も請け負いたい」

建設業許可を取得した後、このようなご相談をいただくことがあります。

建設業許可は、一度取得すればどのような工事でも請け負える、というものではありません。

建設業許可には複数の業種があり、許可を受けている業種以外の工事を一定金額以上で請け負う場合には、業種追加が必要になることがあります。

この記事では、建設業許可の業種追加とは何か、どのような場合に必要になるのか、新しい工事を請け負う前に確認したいポイントをわかりやすく解説します。


目次

建設業許可の業種追加とは?

建設業許可の業種追加とは、すでに建設業許可を持っている事業者が、新たに別の業種の許可を追加する手続きです。

たとえば、次のようなケースです。

  • 内装仕上工事業の許可に、防水工事業を追加したい
  • 塗装工事業の許可に、解体工事業を追加したい
  • 管工事業の許可に、電気工事業を追加したい
  • とび・土工工事業の許可に、舗装工事業を追加したい

建設業許可は、業種ごとに取得する必要があります。

そのため、すでに建設業許可を持っていても、新しく請け負いたい工事が現在の許可業種に含まれていない場合は、業種追加を検討する必要があります。

建設業許可の業種選びについては、こちらの記事も参考にしてください。

▶ 建設業許可の業種はどう選ぶ?29業種と実際の工事内容の考え方をわかりやすく解説


業種追加が必要になる主なケース

業種追加が必要になるかどうかは、現在持っている許可業種と、新しく請け負いたい工事内容によって変わります。

特に、次のような場合は注意が必要です。

元請から別の業種の許可を求められた場合

元請会社から、

「防水工事業の許可はありますか?」
「解体工事業の許可を取ってください」
「この工事をお願いするには、別の業種の許可が必要です」

と言われることがあります。

このような場合は、まず現在持っている許可業種を確認しましょう。

単に「建設業許可を持っている」というだけではなく、どの業種の許可を持っているかが重要です。


新しい工事を受注したい場合

これまで内装工事を中心に行っていた事業者が、防水工事や塗装工事、解体工事なども請け負いたいと考えることがあります。

このように、事業内容を広げる場合は、現在の許可業種で対応できるかを確認する必要があります。

現在の許可業種で対応できない場合は、業種追加を検討することになります。


500万円以上の専門工事を請け負う可能性がある場合

建築一式工事以外の専門工事では、税込500万円以上の工事を請け負う場合、原則として対応する建設業許可が必要になります。

そのため、これまで500万円未満の工事だけを請け負っていた場合でも、今後500万円以上の工事を受注する可能性があるなら、業種追加が必要になるか確認しておきましょう。

元請から大きな工事の話が来てから慌てて準備を始めると、間に合わないことがあります。


複数の工事をまとめて請け負うようになった場合

リフォーム工事や改修工事では、複数の工事が組み合わさることがあります。

たとえば、

  • 内装工事
  • 電気工事
  • 管工事
  • 塗装工事
  • 防水工事
  • 解体工事

などをまとめて請け負うケースです。

このような場合、現在の許可業種だけで対応できるのか、別の業種追加が必要なのかを確認する必要があります。


まずは現在持っている許可業種を確認しましょう

業種追加を検討する前に、まず現在持っている建設業許可の業種を確認しましょう。

確認する方法としては、次のようなものがあります。

  • 許可通知書を見る
  • 許可証明書を確認する
  • 建設業者検索システムで確認する
  • 過去の申請書類を確認する

許可通知書や許可証明書には、許可を受けている業種が記載されています。

たとえば、「内装仕上工事業」「塗装工事業」「防水工事業」「解体工事業」などのように、具体的な業種名が記載されています。

新しく請け負いたい工事が、現在の許可業種に含まれているかを確認しましょう。


「建設業許可があるから大丈夫」とは限りません

すでに建設業許可を持っている方の中には、

「建設業許可を持っているから、新しい工事も大丈夫だろう」

と思われる方もいます。

しかし、建設業許可は業種ごとに受けるものです。

そのため、現在持っている許可業種と、新しく請け負いたい工事内容が一致しているかを確認する必要があります。

たとえば、内装仕上工事業の許可を持っていても、防水工事業や電気工事業、管工事業の許可を持っているとは限りません。

また、塗装工事業の許可を持っていても、解体工事業の許可を持っているとは限りません。

「許可を持っているか」ではなく、どの業種の許可を持っているかを確認することが大切です。


一式工事の許可があっても専門工事には注意

建設業許可で誤解されやすいのが、一式工事の許可です。

特に、建築一式工事の許可を持っている場合に、

「建築一式工事があるから、内装工事や電気工事、管工事、防水工事も何でも請け負える」

と思われることがあります。

しかし、建築一式工事の許可は、専門工事を何でも単独で請け負える万能の許可ではありません。

内装仕上工事、電気工事、管工事、防水工事、塗装工事、解体工事などは、それぞれ専門工事として整理されています。

専門工事を単独で請け負う場合には、その専門工事に対応する許可が必要になることがあります。

一式工事と専門工事の違いについては、こちらの記事も参考にしてください。

▶ 建設業許可の業種はどう選ぶ?29業種と実際の工事内容の考え方をわかりやすく解説


業種追加にも営業所技術者等が必要です

業種追加で特に重要なのが、営業所技術者等です。

すでに建設業許可を持っている場合でも、新しく追加したい業種について、営業所技術者等の要件を満たす人が必要になります。

たとえば、防水工事業を追加したい場合は、防水工事業に対応する資格や実務経験を持つ人が必要です。

解体工事業を追加したい場合は、解体工事業に対応する資格や実務経験を確認します。

現在いる技術者が、追加したい業種にも対応できるとは限りません。

そのため、業種追加を検討するときは、次の点を確認しましょう。

  • 追加したい業種に対応する資格者がいるか
  • 実務経験で証明できるか
  • 証明資料を準備できるか
  • 営業所に常勤しているか
  • 現在の営業所技術者等と兼任できるか

営業所技術者等については、こちらの記事もご確認ください。

▶ 資格がなくても建設業許可は取れる?実務経験で営業所技術者等になる場合の注意点を解説


実務経験で業種追加する場合の注意点

資格で証明できる場合は、比較的確認しやすいことがあります。

一方で、資格がなく、実務経験で業種追加を検討する場合は、注意が必要です。

実務経験で営業所技術者等の要件を満たす場合、追加したい業種に対応する工事経験があるかどうかが重要になります。

たとえば、

  • 内装仕上工事業を追加したいなら、内装仕上工事の経験
  • 防水工事業を追加したいなら、防水工事の経験
  • 塗装工事業を追加したいなら、塗装工事の経験
  • 解体工事業を追加したいなら、解体工事の経験

を確認することになります。

「建設業の経験が長い」というだけでは、追加したい業種の実務経験として認められるとは限りません。

また、実務経験を証明するためには、請求書、契約書、注文書、入金記録、実務経験証明書などの資料が必要になることがあります。

証明資料については、こちらの記事も参考にしてください。

▶ 建設業許可の証明資料が足りないときはどうする?申請前に確認したい書類の集め方


業種追加に必要な主な書類

業種追加では、状況に応じてさまざまな書類が必要になります。

たとえば、次のような書類を確認・準備することがあります。

  • 建設業許可申請書
  • 営業所技術者等証明書
  • 資格証明書
  • 実務経験証明書
  • 健康保険等の加入状況
  • 登記事項証明書
  • 納税証明書
  • 営業所に関する確認資料
  • 常勤性を確認できる資料
  • その他の確認資料

すでに建設業許可を持っている場合でも、業種追加では改めて確認資料が必要になることがあります。

特に、追加したい業種の営業所技術者等に関する資料は重要です。


業種追加の手数料

愛知県知事許可の場合、業種追加の許可手数料は50,000円です。

これは行政庁に納める手数料であり、行政書士に依頼する場合の報酬とは別に必要になります。

また、住民票、登記事項証明書、納税証明書などを取得する場合には、別途実費がかかることがあります。

行政書士に依頼する場合は、行政庁への手数料、行政書士報酬、証明書取得費用などを含めて確認しておくと安心です。

料金については、こちらもご覧ください。

▶ 料金のご案内はこちら


業種追加の前に確認したいポイント

業種追加を検討する場合は、次の点を確認しましょう。

1. 今持っている許可業種

まず、現在どの業種の許可を持っているかを確認します。

許可通知書や許可証明書を見て、現在の許可業種を整理しましょう。

2. 新しく請け負いたい工事内容

次に、新しく請け負いたい工事の内容を確認します。

見積書、契約書、請求書、元請からの依頼内容などを確認すると、どの業種に該当しそうか整理しやすくなります。

3. 500万円以上になる可能性

建築一式工事以外の専門工事では、税込500万円以上の工事を請け負う場合、対応する許可が必要になる可能性があります。

今後、500万円以上の工事を受注する可能性があるか確認しましょう。

4. 元請が求めている業種

元請から具体的な業種を指定されている場合は、その業種の許可が必要か確認します。

「建設業許可を持っていればよい」のか、「特定の業種の許可が必要」なのかを確認しておくことが大切です。

5. 追加したい業種に対応する技術者

業種追加では、追加したい業種に対応した営業所技術者等が必要です。

資格で証明できるか、実務経験で証明するか、証明資料があるかを確認しましょう。


業種追加とあわせて確認したい許可後の手続き

建設業許可を持っている事業者は、業種追加だけでなく、許可後の届出にも注意が必要です。

たとえば、

  • 事業年度終了届
  • 役員変更
  • 本店移転
  • 営業所の変更
  • 営業所技術者等の変更
  • 社会保険の加入状況の変更
  • 更新申請

などです。

特に、事業年度終了届を出していない場合、更新や業種追加の手続きに影響することがあります。

建設業許可は、取得して終わりではありません。

許可後も必要な届出を行い、許可を維持していくことが大切です。

許可後の手続きについては、こちらの記事も参考にしてください。

▶ 建設業許可を取った後に必要な手続きとは?


元請から業種追加を求められている場合は早めに確認を

元請から新しい工事の話があり、別の業種の許可を求められている場合は、早めに確認することをおすすめします。

業種追加は、申請すればすぐに許可が出るわけではありません。

追加したい業種に対応する営業所技術者等がいるか、証明資料を準備できるか、必要書類がそろうかを確認する必要があります。

また、申請後には審査期間もあります。

「工事の契約までに許可が必要」と言われている場合は、余裕を持って準備を始めましょう。

元請から建設業許可を求められた場合の対応については、こちらも参考にしてください。

▶ 元請から「建設業許可を取ってください」と言われたら?まず確認すべきポイントをわかりやすく解説


まとめ:新しい工事を始める前に、業種追加が必要か確認しましょう

建設業許可は、業種ごとに取得する必要があります。

すでに建設業許可を持っている場合でも、新しい工事を請け負うときは、現在の許可業種で対応できるか確認することが大切です。

特に、

  • 今持っている許可業種
  • 新しく請け負いたい工事内容
  • 工事金額が500万円以上になる可能性
  • 元請が求めている業種
  • 追加したい業種に対応する営業所技術者等
  • 実務経験や資格を証明できる資料

を確認しましょう。

現在の許可業種では対応できない場合、業種追加が必要になることがあります。

業種追加は、今後の受注機会を広げるためにも重要な手続きです。

新しい工事を始める前に、早めに確認しておきましょう。


建設業許可・業種追加でお困りの方へ

行政書士中村拓哉事務所では、愛知県を中心に、建設業許可の新規申請・更新・業種追加・変更届・事業年度終了届などをサポートしています。

「今の許可でこの工事を請け負えるか知りたい」
「元請から別の業種の許可を求められている」
「業種追加が必要か確認したい」
「追加したい業種に対応する技術者がいるか不安」
「実務経験で業種追加できるか相談したい」

このような場合は、まずは現在の許可業種と、今後請け負いたい工事内容をお聞かせください。

許可通知書、見積書、契約書、請求書、工事内容、技術者の資格・実務経験などを確認しながら、業種追加が必要かどうかを整理いたします。

まだ正式に依頼するか決まっていない段階でも大丈夫です。
まずはお気軽にご相談ください。

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