元請から「建設業許可を取ってほしい」と言われたら?最初に確認するべきポイントを解説

建設業を営んでいる方の中には、元請会社から突然

今後も取引を続けるなら、建設業許可を取ってほしい

と言われて、戸惑った経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

特に、これまで問題なく仕事をしてきた方ほど、

「急に言われても何から始めればいいのか分からない」

「そもそも自分は許可を取れるのか」

「今すぐ必要なのか」

と不安になりやすいものです。

実際、建設業許可は、必要書類を出せばすぐに取れるというものではありません。

要件を満たしているかどうかの確認や、経験を証明する資料の準備など、事前に確認しておくべきことがいくつもあります。

この記事では、元請から建設業許可の取得を求められたときに、まず確認したいポイントを、初めての方にも分かりやすく解説します。

目次

元請から建設業許可を求められるのは珍しいことではありません

最近は、元請会社が下請会社や協力会社に対して、建設業許可の有無をこれまで以上に重視する傾向があります。

その背景には、コンプライアンス意識の高まりや、取引先管理の厳格化があります。

特に、公共工事に関わる案件や、一定規模以上の工事、大手企業との取引では、許可の有無を確認されることが少なくありません。

また、元請側としても、協力会社の体制を整えておきたいという考えがあります。

そのため、これまで特に許可を求められていなかった場合でも、急に

今後は許可を取得してください

と言われるケースがあります。

このような場面では、慌てて動く前に、まず状況を整理することが大切です。

まず最初に確認したい3つのポイント

元請から許可取得を求められたときは、すぐに申請の話に進むのではなく、まず次の3つを確認することが重要です。

本当に建設業許可が必要な工事なのか

最初に確認したいのは、そもそもその工事について建設業許可が必要なのかどうかです。

建設業許可は、すべての工事で必ず必要になるわけではありません。

原則として、軽微な建設工事だけを請け負う場合は、許可が不要なことがあります。

たとえば、建築一式工事以外では、1件の請負代金が税込500万円未満であれば、

軽微な工事に該当する可能性があります。

逆にいえば、請負金額が一定額を超える工事や、内容によっては許可が必要になります。

この点をきちんと確認せずに、

「元請に言われたから取らないといけない」

と考えてしまうと、本来の必要性が曖昧なまま進んでしまうことがあります。

もちろん、取引継続のために元請から事実上求められることはありますが、

まずは法的にどのような位置づけなのかを確認することが大切です。

いつまでに必要なのか

次に確認したいのは、元請がいつまでに許可取得を求めているのかです。

建設業許可は、相談したその日に取れるものではありません。

要件確認、必要書類の収集、申請書類の作成、提出後の審査と、一定の時間がかかります。

そのため、

「次の案件から必要なのか」

「できるだけ早く取ってほしいという話なのか」

「数か月程度の猶予があるのか」

によって、取るべき対応が大きく変わります。

もし元請の認識が

「すぐ取れるはず」

というものだったとしても、実際には準備期間が必要です。

そのため、感覚的に動くのではなく、できるだけ早めに期限を確認し、

現実的なスケジュールを組むことが重要です。

自分が建設業許可の要件を満たしていそうか

3つ目は、自分がそもそも建設業許可の要件を満たせそうかどうかです。

ここを確認しないまま話を進めると、あとになって

「資料が足りず、すぐには申請できない」

「要件を満たしていないので現時点では難しい」

ということもありえます。

建設業許可では、主に次のような点が問題になります。

  • 経営業務の管理責任者に関する要件
  • 営業所技術者等に関する要件
  • 財産的基礎に関する要件
  • 欠格要件などに該当しないこと

つまり、元請から求められたからといって、誰でもすぐ取得できるわけではありません。

まずは、申請可能性を見極めることが大切です。

特に確認したい建設業許可の要件

ここからは、元請から許可取得を求められたときに、特に確認したい要件を見ていきます。

経営業務の管理責任者に関する要件

まず重要なのが、建設業に関する一定の経営経験があるかどうかです。

たとえば、過去に個人事業主として建設業を営んでいた期間や、

法人の役員として建設業に関与していた期間などが問題になります。

この要件では、単に現場経験が長いというだけでは足りず、経営面での立場や経験が問われます。

そのため、長年建設業に関わってきた方でも、要件に当てはまるかは個別の確認が必要です。

また、経験があっても、それを客観的に示す資料が残っていないと、申請で苦労することがあります。

営業所技術者等に関する要件

次に重要なのが、営業所技術者等の要件です。

これは、一定の資格を持っているか、または所定の実務経験があるかが問題になります。

建設業許可では業種ごとに考え方が異なるため、どの業種で申請するのかも非常に重要です。

たとえば、電気工事、管工事、内装仕上工事、とび・土工工事など、どの業種に該当するのかによって、

必要な資格や経験の見方が変わることがあります。

ここは自己判断で進めるとズレやすいところです。

「現場経験は長いから大丈夫だろう」と思っていても、証明方法や業種の選び方によっては、

慎重な確認が必要になります。

財産的基礎に関する要件

一般建設業の許可では、財産的基礎も確認されます。

よく問題になるのが、500万円以上の資金があるかどうかです。

具体的には、残高証明書や通帳などで確認することになります。

普段の事業は問題なく回っていても、この部分をどう証明するかで悩まれる方は少なくありません。

特に個人事業主や一人親方の方は、事業資金と生活資金が近い形で管理されていることもあるため、

早めに準備の方向性を考えておく必要があります。

早めに集めておきたい資料

元請から許可取得を求められた場合、要件確認と並行して、できるだけ早く資料を集め始めることが大切です。

請求書・契約書・注文書など

これらは、過去の工事実績や経験を証明するうえで重要になることがあります。

個人事業主や小規模事業者の方の場合、

「請求書はあるけれど契約書はない」

「注文書は一部しか残っていない」

ということも多くあります。

しかし、実際の申請では、どのような立場で、どんな工事に関わっていたかを示す資料が必要になることがあります。

そのため、手元にあるものを早めに洗い出しておくことが重要です。

通帳や残高証明書などの財産関係資料

財産的基礎を確認するために必要になる資料です。

元請に急かされると、つい工事実績や経験ばかり気にしてしまいがちですが、資金面の証明も大切です。

早めに確認しておくことで、申請の見通しが立てやすくなります。

資格証や実務経験を示す資料

資格がある場合は、その資格証が重要です。

資格ではなく実務経験で進める場合は、その経験を裏付ける資料が必要になります。

この部分は、後から探そうとすると時間がかかることがあります。

特に急ぎの案件では、早めの準備が差になります。

元請に対してはどう伝えればいいのか

元請から

「許可を取ってください」

と言われたとき、まだ取得できるか分からない段階でも、何らかの返答は必要になることがあります。

そのようなときは、すぐに

「取れます」

と言い切るのではなく、まずは

現在、取得可能か確認を進めています

必要書類の準備と要件確認を行っています

という形で、状況を整理しながら伝えるのが無難です。

実際には、要件確認や資料収集に時間がかかることがあります。

そのため、見込みが不明な段階で断定してしまうと、後で説明が難しくなることがあります。

元請との関係上、スピード感は大切ですが、同時に無理のない説明も大切です。

急ぎのときこそ早めの相談が大切です

元請から建設業許可を求められたケースでは、

「急いで何とかしたい」

というご相談が非常に多いです。

ただ、急いでいるからこそ、最初の見立てが重要になります。

  • そもそも許可が必要なのか
  • どの業種で申請するのか
  • 要件を満たしていそうか
  • どの資料が使えそうか
  • いつまでにどこまで進められそうか

こうした点を整理することで、今すぐ申請に進めるのか、少し準備期間が必要なのかが見えてきます。

逆に、ここを整理しないまま進めてしまうと、時間だけが過ぎてしまい、元請への説明もしづらくなってしまいます。

7. まとめ

元請から

「建設業許可を取ってほしい」

と言われたときは、焦って申請準備に入るのではなく、まず次の点を確認することが大切です。

  • 本当に建設業許可が必要な工事なのか
  • いつまでに必要なのか
  • 自分が要件を満たしていそうか

そのうえで、経営経験、営業所技術者等、財産的基礎などの要件を整理し、必要資料を早めに集めていくことが大切です。

元請から急に言われて不安な方、ご自身が許可を取れるか分からない方、

急ぎで確認したい方は、早めに状況を整理することで、スムーズに次の対応を考えやすくなります。

建設業許可についてお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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