【建設業】一式工事と専門工事の違いは?

建設業許可における一式工事専門工事の違いは、工事の内容や役割の範囲に基づきます。

それぞれの特徴を以下にまとめます。

目次

一式工事とは

定義

一式工事は、建築物または土木工作物の新築・改修・増築工事を総合的に企画、指導、調整して施工する工事を指します。

主な特徴

  1. 複数の工事をまとめて請け負う
    • 複数の専門工事を統括して計画・管理する役割を担います。
    • 例:建物の新築工事で、基礎工事、木工工事、電気工事などを総合的に取りまとめます。
  2. 工事の総合的な管理が必要
    • 一式工事では、施工全体を管理・調整する能力が求められます。
  3. 対象工事の規模
    • 建築一式工事では、請負金額が1,500万円以上または延べ面積150㎡以上の木造住宅工事の場合に該当するケースが多いです。
  4. 業種の種類
    • 一式工事は以下の2種類に分類されます。
      • 建築一式工事(例:ビルや住宅の建築工事)
      • 土木一式工事(例:道路、橋梁、トンネルなどの工事)

専門工事とは

定義

専門工事は、特定の技術や知識を必要とする特化した工事を指します。

建設業許可では、27業種に分かれています。

主な特徴

  1. 特定分野の施工を担当
    • 1つの工事分野に特化して施工を行います。
    • 例:電気工事、管工事、塗装工事、防水工事など。
  2. 分業体制の一部を担う
    • 一式工事の中の一部分(例えば電気配線の設置)を担当する場合が多いです。
  3. 業種ごとに専門知識が求められる
    • 各専門工事には、それぞれ専任技術者や資格が必要です。
  4. 許可業種の種類
    • 専門工事は以下のように分類されます。
      • 大工工事業
      • 電気工事業
      • 管工事業
      • 塗装工事業
      • 解体工事業など(計27業種)

一式工事と専門工事の主な違い

項目一式工事専門工事
内容総合的な管理や調整を行い、複数の工事を統括する特定分野に特化した個別の工事を担当
業種の数2種類(建築一式工事、土木一式工事)27種類(電気工事、管工事、防水工事など)
役割計画、調整、管理を含む特定分野での施工
資格要件施工管理全体を担当できる経験や技術各分野ごとの技術や資格が必要
規模感大規模または総合的なプロジェクト特定分野の小規模から中規模の工事
ビルや住宅の新築、橋梁や道路の建設内装仕上げ、電気設備設置、防水処理など

具体例

一式工事の例

  • 建築一式工事
    マンションを建設する際、基礎工事、電気設備工事、内装工事を含む全体を取りまとめます。
  • 土木一式工事
    ダム建設工事で、掘削、コンクリート打設、設備設置など全体を統括します。

専門工事の例

  • 電気工事業
    ビル内の電気配線や照明設備を設置します。
  • 塗装工事業
    建物の外壁や内壁を塗装します。
  • 防水工事業
    屋根やバルコニーに防水処理を施します。

注意点

  1. 一式工事と専門工事の兼業
    • 一式工事業者は、自社で専門工事も行うことが可能です。ただし、他の専門工事業者を下請けに出すことが一般的です。
  2. 許可取得時の判断
    • 「一式工事」と「専門工事」のどちらに該当するかは、工事内容や請負範囲によって判断されます。建築物全体を取りまとめている場合は「一式工事」に該当します。
  3. 建設業許可申請時の業種選択
    • 一式工事と専門工事を同時に申請することも可能ですが、専任技術者や実績が必要になるため、計画的に準備を進める必要があります。

まとめ

  • 一式工事は総合的な計画と管理を行い、全体を統括する役割を担います。
  • 専門工事は特定の分野に特化して施工を行う工事です。

どちらも建設業において重要な役割を担い、それぞれの許可要件や役割に応じて適切に申請・施工を行うことが求められます。

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