鉄筋工事業とは、建設業の許可が必要な29業種のひとつで、コンクリート構造物の骨組みとして鉄筋を組み立て、建物の耐震性や強度を確保するために必要な工事を行う業種です。
鉄筋はコンクリートと組み合わせることで引張力に強くなり、建物の安全性や耐久性を高める役割を果たします。
以下に、鉄筋工事業の定義や具体的な内容、許可に必要な要件について詳しく説明します。
鉄筋工事業の主な作業
鉄筋の加工・組み立て工事
建物の構造部分に使用する鉄筋の指定の長さや形状に加工し、図面に従って組み立てる作業です。
ビルやマンション、橋梁、ダムなど、さまざまな構造物に必要です。
鉄筋の継ぎ手工事
鉄筋を長く接続する際に、溶接や機械的な継ぎ手を用いて繋ぐ工事です。
継ぎ手は強度や耐震性に影響するため、精密な施工が求められます。
鉄筋の固定工事
組み立てた鉄筋を定位置に固定する作業です。
鉄筋がずれないように固定し、コンクリートの打設時にも構造を維持できるようにします。
鉄筋工事は、建物の基礎や骨組みを形成するために重要な工程で、鉄筋とコンクリートを適切に組み合わせることで、建物の耐久性や耐震性が高まります。
鉄筋工事業の許可が必要な理由
鉄筋工事は建物の構造的な強度を左右するため、品質の高い施工が求められます。
鉄筋の位置や組み方に誤りがあると、建物全体の安全性や耐久性に悪影響を及ぼす可能性があるため、建設業法で許可制度が設けられています。
鉄筋工事業の許可が必要な場合
1件あたりの工事金額が500万円(税込)以上の鉄筋工事業を行う場合、許可の取得が必要になります。
ただし、工事金額が500万円未満の場合は許可を取得しなくても鉄筋工事業を行うことができますが、必要な技術者や一定の施工基準を満たす必要があります。
許可は5年ごとに更新が必要で、定期的な監査や指導が行われる場合があります。
鉄筋工事業の許可を取得する要件
鉄筋工事業の許可を受けるためには、次の要件を満たす必要があります。
経営業務の管理責任者
経営者や役員の中に、過去5年以上の鉄筋工事業の経営経験や、管理経験がある者が必要です。
専任技術者
専任技術者とは、事務所ごとに設置される技術担当者であり、資格と経験が求められます。
鉄筋工事業では、建築施工管理技士(1級または2級)や土木施工管理技士(1級または2級)などの国家資格、あるいは一定の実務経験が求められます。
財産的基礎または金銭的信用
一定の資産や資金の調達力を持つことが求められます。
具体的には500万円以上の自己資本があることや、金融機関の融資枠などです。
欠格要件の確認
許可を申請する事業者や役員に、法律違反による一定の欠格要件がないことも必要です。
これは、過去の法的なトラブルや行政の処分歴がないことなどを確認するための要件です。
許可取得の流れ
申請書類の準備
必要な書類や証明書類を準備します。
申請先の確認
都道府県知事許可または国土交通大臣許可(ふたつ以上の都道府県で工事を行う場合)が必要です。
申請と審査
書類審査が行われ、条件を満たしているか確認されます。
許可証の交付
審査が通過すると、許可証が交付されます。
鉄筋工事業は、建物の基礎となる構造部分を支え、安全性や耐久性を確保するために欠かせない工事で、建築・土木分野において重要な役割を担っています。
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