【建設業】水道施設工事業とは?

水道施設工事業は、建設業の許可が必要な29業種のひとつで、地域や施設への安全で安定的な水の供給を実現するための工事を行う業種です。

主に、上水道、簡易水道、工業用水道の設置や修繕を担当します。

以下に、水道施設工事業の定義、主な工事内容、許可取得要件などについて詳しく説明します。

目次

水道施設工事業の定義

建設業法における水道施設工事業は、次のように定義されています。

上水道、簡易水道、工業用水道など、水道用の施設の設置または修繕を行う工事を指します。

主に取水施設、浄水場、配水管、給水施設など、水の供給に関わる施設の工事が含まれます。

主な工事内容

水道施設工事業では、以下のような工事を行います。

1. 取水施設工事

  • 河川や湖沼、地下水などから水を取水する施設の工事。
  • 取水塔、取水ポンプ場、取水井などの建設や修繕を行います。

2. 浄水場工事

  • 取水した水を飲料水として利用できるように処理する浄水場の建設や修繕。
  • フィルターや薬品注入設備、沈殿池などの設置工事が含まれます。

3. 配水施設工事

  • 浄水場から各家庭や施設に水を供給するための配水管の敷設工事。
  • 配水管やポンプ場、バルブの設置や交換、補修工事。

4. 貯水施設工事

  • 水を一時的に貯めておく貯水池や配水池の工事。
  • 水圧の安定や供給量の調整を目的とした施設の建設。

5. その他の水道関連施設の工事

  • 工業用水道や灌漑用水道施設の設置。
  • 井戸の掘削や関連設備の設置工事。

水道施設工事業の重要性

水道施設工事業は、公共の健康と安全を確保するために非常に重要です。

以下の点で社会において重要な役割を果たします。

  • 安全な飲料水の供給
    適切な水処理と配水設備を整えることで、衛生的で安全な飲料水を供給します。
  • インフラの維持と更新
    老朽化した水道施設の補修や更新工事を行い、持続可能な水供給を実現します。
  • 地域社会の発展への貢献
    工場や住宅地、観光施設などに安定した水供給を行い、地域の経済活動を支えます。

水道施設工事業の許可が必要な場合

1件あたりの工事金額が500万円(税込)以上の水道施設工事を行う場合、許可の取得が必要になります。

ただし、工事金額が500万円未満の場合は許可を取得しなくても水道施設工事を行うことができますが、必要な技術者や一定の施工基準を満たす必要があります。

許可は5年ごとに更新が必要で、定期的な監査や指導が行われる場合があります。

水道施設工事業の許可を取得する要件

水道施設工事業の許可を受けるためには、次の要件を満たす必要があります。

経営業務の管理責任者

経営者や役員の中に、過去5年以上の水道施設工事業の経営経験や、管理経験がある者が必要です。

専任技術者

専任技術者とは、事務所ごとに設置される技術担当者であり、資格と経験が求められます。

水道施設工事業では、1級または2級土木施工管理技士1級または2級管工事施工管理技士などの国家資格、あるいは一定の実務経験が求められます。

財産的基礎または金銭的信用

一定の資産や資金の調達力を持つことが求められます。

具体的には500万円以上の自己資本があることや、金融機関の融資枠などです。

欠格要件の確認

許可を申請する事業者や役員に、法律違反による一定の欠格要件がないことも必要です。

これは、過去の法的なトラブルや行政の処分歴がないことなどを確認するための要件です。

許可取得の流れ

申請書類の準備

必要な書類や証明書類を準備します。

申請先の確認

都道府県知事許可または国土交通大臣許可(ふたつ以上の都道府県で工事を行う場合)が必要です。

申請と審査

書類審査が行われ、条件を満たしているか確認されます。

許可証の交付

審査が通過すると、許可証が交付されます。

まとめ

水道施設工事業は、安全な水供給を維持するために欠かせない業種であり、公共インフラの根幹を支えています。

特に、老朽化した施設の更新や災害対策、省エネルギー化といった社会的課題に対応するため、今後もその重要性は高まると予想されます。

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