【建設業】土木一式工事とは？

土木一式工事とは、建設業の許可が必要な２９業種のうちのひとつで、道路、橋、トンネル、ダム、河川などの土木構造物を対象とする総合的な工事を指します。

土木工事の中でも規模が大きく、複数の工種を組み合わせて行うのが特徴です。

土木一式工事の特徴

総合的な企画・施工

単一の工種ではなく、複数の工種を総合的に組み合わせ、設計から施工まで一貫して行います。
（例えば、掘削、舗装、基礎工事など）

工事全体の管理・調整

土木一式工事の請負者は、工事全体の管理や調整、工程の把握なども担当します。

大規模なインフラ整備

道路や橋、ダム、鉄道、上下水道、護岸などの社会インフラの整備・維持が多く、公共事業の一環として行われることが一般的です。

土木一式工事に含まれる主な作業

土木一式工事には、以下のような工種が含まれることが多いです。

なおこれらの工種単体ではなく、複数を組み合わせて施工する場合に土木一式工事として扱われます。

掘削工事

地面を掘り下げて地盤を調整する工事です。

基礎工事

構造物の基礎部分を作る工事で、地盤の安定を図ります。

護岸工事

河川や海岸などでの土砂流出防止や侵食防止のための工事です。

排水工事

雨水や地下水を排出する設備の設置工事です。

トンネル工事

トンネルの掘削・建設を行う工事です。

道路・舗装工事

道路の整備や舗装の施工を行います。

橋梁工事

橋の建設や補修などの工事です。

土木一式工事と他の工種との違い

土木一式工事は複数の工種を総合的に請け負う工事であり、単一の専門工事（例えば舗装工事やしゅんせつ工事など）を行う場合は、それぞれの専門工事の許可が必要です。

土木一式工事の請負者は、工事全体の統括的な管理を行い、複数の下請業者や専門業者を統括する役割を担います。

許可を受ける要件

土木一式工事の許可を取得するためには、以下のような要件を満たす必要があります。

技術的要件

土木一式工事に関する資格を持つ専任技術者が必要です。

経営経験

過去に土木工事を含む建設業において一定の経営経験や実績があることが求められます。

財務要件

健全な経営基盤や資金力が求められます。

土木一式工事は、公共性の高いインフラ整備が中心となるため、品質・安全性を保ちながら、計画的に工事を管理・実施する技術力と経験が求められます。