【建設業】しゅんせつ工事業とは?

しゅんせつ工事業(浚渫工事業)とは、建設業の許可が必要な29業種のひとつで、河川や港湾、湖、ダムなどの水底に堆積した土砂や泥、砂利などを取り除く工事を行う業種です。

しゅんせつ工事は、河川や港湾の水深を確保し、船舶の航行を支えたり、洪水のリスクを軽減したりするために行われ、重要な社会インフラの一部です。

目次

しゅんせつ工事業の主な作業

河川のしゅんせつ工事

河川の底に堆積した土砂や泥を取り除き、流れを改善し、洪水や氾濫の防止を図る工事です。

港湾のしゅんせつ工事

港湾施設における船舶の安全な航行を確保するため、港や航路の水深を維持する工事です。

港湾の水深を確保することで、大型船舶の入港が可能になります。

湖やダムのしゅんせつ工事

湖やダムに堆積した土砂や泥を取り除き、水量を確保し、洪水調整や水資源の保全に寄与します。

防波堤や護岸のしゅんせつ工事

防波堤や護岸周辺の水深を確保し、安定性を保つために行われる工事です。

しゅんせつ工事は、専門的な知識と技術を要するため、許可を受けた業者が施工を行う必要があります。
また、使用する重機や設備(ポンプしゅんせつ船やクレーンしゅんせつ船など)も特殊で、大規模な工事になることが多いため、経験豊富な技術者の管理が求められます。

しゅんせつ工事業の許可が必要な理由

しゅんせつ工事は、河川や港湾、ダムといった公共性の高い施設で行われ、環境や周辺地域への影響が大きいため、安全で適切な施工が求められます。

許可を受けた業者が施工を行うことで、品質や安全性の確保が図られています。

しゅんせつ工事業の許可が必要な場合

1件あたりの工事金額が500万円(税込)以上のしゅんせつ工事業を行う場合、許可の取得が必要になります。

ただし、工事金額が500万円未満の場合は許可を取得しなくてもしゅんせつ工事業を行うことができますが、必要な技術者や一定の施工基準を満たす必要があります。

許可は5年ごとに更新が必要で、定期的な監査や指導が行われる場合があります。

しゅんせつ工事業の許可を取得する要件

しゅんせつ工事業の許可を受けるためには、次の要件を満たす必要があります。

経営業務の管理責任者

経営者や役員の中に、過去5年以上のしゅんせつ工事業の経営経験や、管理経験がある者が必要です。

専任技術者

専任技術者とは、事務所ごとに設置される技術担当者であり、資格と経験が求められます。

しゅんせつ工事業では、土木施工管理技士(1級または2級)などの国家資格、あるいは一定の実務経験が求められます。

財産的基礎または金銭的信用

一定の資産や資金の調達力を持つことが求められます。

具体的には500万円以上の自己資本があることや、金融機関の融資枠などです。

欠格要件の確認

許可を申請する事業者や役員に、法律違反による一定の欠格要件がないことも必要です。

これは、過去の法的なトラブルや行政の処分歴がないことなどを確認するための要件です。

許可取得の流れ

申請書類の準備

必要な書類や証明書類を準備します。

申請先の確認

都道府県知事許可または国土交通大臣許可(ふたつ以上の都道府県で工事を行う場合)が必要です。

申請と審査

書類審査が行われ、条件を満たしているか確認されます。

許可証の交付

審査が通過すると、許可証が交付されます。

しゅんせつ工事業は、河川や港湾の安全性や利便性を支えるため、そして自然災害から地域を守るために欠かせない業種です。
高い技術力と環境への配慮が求められる分野であり、社会基盤の維持・整備において重要な役割を果たしています。

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